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脳神経外科でオンライン診療を実施するメリットと注意点

近年、新たな診療方法としてオンライン診療が医療施設で導入されています。

日常的な業務の効率化はもちろん、患者にとっての利便性を向上させられる可能性があることから、脳神経外科で導入されるケースも少なくありません。

オンライン診療はすべての疾患や症状の診察に適しているわけではありませんが、通常の診察では得られない情報を把握できる場合があり、より精度の高い診療方針の策定に役立てることもできます。

この記事では、脳神経外科におけるオンライン診療を導入するメリットを中心に、初診に適さない症状や注意が必要な薬剤について詳しく解説します。

※この記事は、2023年9月18日時点の情報を元に記載しています。


目次[非表示]

  1. 1.脳神経外科におけるオンライン診療
  2. 2.脳神経外科においてオンライン診療を実施するメリット
    1. 2.1.①患者の日常が把握できる
    2. 2.2.②再診率の向上が期待できる
    3. 2.3.③診療方針が立てやすくなる
  3. 3.オンライン診療の初診に適さない症状
  4. 4.初診から投与する薬剤には注意が必要
  5. 5.まとめ


脳神経外科におけるオンライン診療

オンライン診療は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの情報通信機器を用いて、ビデオ通話やチャットで診察を行う診療方法です。

⽇本医学会連合『オンライン診療の初診に関する提⾔(P.4)』によると、オンライン診療のみで診断を確定させられる疾患はほとんどないことを大前提とし、初診から実施する場合はかかりつけ医が行うことを原則としています。

オンライン診療を実施する際は、全例、最初に前例や症状の評価を行い、必要に応じて対面診療に切り替える必要があります。実際にオンライン診療を導入した脳神経外科では、運動障害がある方の再診や検査結果の報告などに活用されています。

直接身体の動きを診たり触る必要がある脳神経領域では、積極的にオンライン診療を実施することが難しい場合がありますが、施設に足を運ぶことが難しい患者にとっては、通院負担の軽減につながる可能性があります。


脳神経外科においてオンライン診療を実施するメリット

ここでは、脳神経外科においてオンライン診療を実施するメリットを3つ紹介します。

①患者の日常が把握できる

長期的に治療が必要な疾患においては、頭痛症状のような患者の日々の症状を、経時的に把握することが重要となります。

オンライン診療であれば、通常の診療では得ることのできなかった患者の生活環境についての情報が取得でき、より精度の高い診療方針が策定できます

②再診率の向上が期待できる

患者のなかには、育児や介護、仕事など、さまざまな理由で通院が継続できない方が一定数います。 直接通院していただくのが望ましいですが、やむを得ない場合はオンライン診療で対応することも可能です。

オンライン診療という選択肢があれば患者は必要に応じて自宅から受診できるため、治療・通院が継続しやすくなります

③診療方針が立てやすくなる

脳神経外科では、頭痛症状からさまざまな疾患の可能性を考える必要があります。

オンライン診療の事前問診を活用することで、患者の症状を診察までの間に確認しておくことができるようになります。そして、診察に必要な事前準備を行うことも可能です


オンライン診療の初診に適さない症状

冒頭でも述べたように、オンライン診療はすべての症状・疾患に適しているわけではありません。

初診は本来対面で行うことが望ましいですが、やむを得ずオンライン診療で対応する場合は事前に適さない症状について知っておくことが大切です。

⽇本医学会連合『オンライン診療の初診に関する提⾔(P.6)』によると、神経系の症状において、緊急性により初診からのオンライン診療に適さない状態は以下の通りと記載されています。

  • めまい
  • 失神
  • 意識障害
  • けいれん
  • 筋力低下
  • 12時間以内のてんかん発作様運動
  • 感覚脱失/異常感覚/身体の麻痺
  • 顔面麻痺、眼瞼下垂
  • 発語または嚥下困難
  • 過去最悪の頭痛
  • 発熱を伴う頭痛
  • 突然の視⼒低下・視野異常
  • 歩⾏障害

上記のような症状は、ただちにもしくは可能な限り早く対面診療を行うことが望ましい状態であるため、オンライン診療で対応できるものではありません


初診から投与する薬剤には注意が必要

オンライン診療では、実施後に薬剤を処方することも可能です。

しかし、薬剤のなかには処方・投与に注意が必要なものもあるため、オンライン診療を実施する前に把握しておく必要があります。

⽇本医学会連合『オンライン診療の初診に関する提⾔(P.21,22)』によると、オンライン診療の初診での投与に十分な検討が必要な薬剤の内、神経系に作⽤する薬剤として以下の記載があります。

  • 麻薬類
  • パーキンソン病治療薬
  • 脳卒中治療薬(脳梗塞治療薬)
  • 神経難病治療薬(自律神経作用薬)
  • 片頭痛薬
  • 筋弛緩薬(アロフトやミオナールのような中枢性筋弛緩薬は可)

上記の薬剤は⼀律に初診処⽅不可とすることを⽬的とするものではなく、担当医は個々の患者さんの状態によって柔軟に対応する必要があるとされています

担当医師は、それぞれの患者の状態に応じて柔軟に対応することが求められます。


まとめ

この記事では、オンライン診療について以下の内容で解説しました。

  • 脳神経外科におけるオンライン診療
  • 脳神経外科をオンライン診療に対応させるメリット
  • オンライン診療の初診に適さない症状
  • 初診から投与する薬剤には注意が必要

脳神経外科では医師による触診や視診が必要であることから、オンライン診療に向いていないと思われがちです。しかし、慢性頭痛をはじめとした長期的な治療・観察が必要な疾患に対しては、オンライン診療を導入することで患者の現在の状況や日々の生活環境を把握できます。

より精度の高い診療方針の策定に役立つことはもちろん、業務の負担を軽減し、効率化を図れる可能性があります。

YaDoc』は、かかりつけ医のために開発されたオンライン診療システムです。

予約機能やビデオチャット機能はもちろん、患者のバイタルを確認するためのモニタリング機能も搭載されており、脳神経外科で使いやすい機能が充実しています。

オンライン診療システムの導入にご不安がある方でも、システムの導入からアフターサポートまで丁寧に実施いたしますので、ご安心ください。

詳しくは、お気軽にお問い合わせください。

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