オンライン診療を実施できる条件とは?最低限遵守すべきルール
オンライン診療を実施できる条件は、厚生労働省が策定した『オンライン診療の適切な実施に関する指針』で提示されています。
これからオンライン診療を導入する医療施設では、オンライン診療計画書の作成をはじめ、情報通信機器やオンライン診療システムの導入、セキュリティ対策が不可欠です。
この記事では、オンライン診療を実施できる条件や最低限遵守すべきルールについて徹底解説します。
※この記事は、2023年7月6日時点の情報を元に記載しています。
目次[非表示]
- 1.オンライン診療を実施できる条件とは
- 2.オンライン診療の適切な実施に関する指針で守るべきルール
- 2.1.①オンライン診療計画書の作成
- 2.2.②オンライン診療計画書の共有
- 2.3.③本人確認となりすまし防止
- 2.4.④薬剤処方と適切な管理
- 2.5.⑤対面診療と組み合わせた診察
- 3.オンライン診療を実施する施設の環境や設備の条件
- 4.まとめ
オンライン診療を実施できる条件とは
オンライン診療の実施には、PCやスマートフォンなどの情報通信機器の導入、快適なインターネット通信環境の整備、オンライン診療システムの導入などが不可欠です。
さらに、厚生労働省が策定したガイドラインに該当する『オンライン診療の適切な実施に関する指針』を遵守する必要があります。
ガイドラインには、オンライン診療の基本理念をはじめ、最低限守らなければならない重要事項や、提供する施設体制に関する事項などが細かくまとめられています。
また、令和4年4月に診療報酬制度が改訂されたことで、オンライン診療の実施要件が緩和されたため、併せて確認しておくようにしましょう。
>オンライン診療について厚生労働省が定めるガイドラインのポイントを解説
オンライン診療の適切な実施に関する指針で守るべきルール
『オンライン診療の適切な実施に関する指針』に基づき、オンライン診療の実施で必ず守るべきルールを5つ紹介します。
①オンライン診療計画書の作成
オンライン診療計画書は、ガイドラインで作成が必須とされている診療計画書を指します。オンライン診療計画書には、以下のような内容を最低限盛り込まなければなりません。
- オンライン化する診療科の詳細
- 診療時間や予約制度の内容
- オンライン診療で使用する情報通信機器やシステム
- 対面診療に移行する判断基準
- 触診などができない状況による、患者の診察に対する積極的な協力の要請
- 急病、急変時の基本的な対応方針
- セキュリティリスクに関する責任の範囲など
どのような診療科で、どのような疾病に対する治療をオンライン化させたいかに加えて、施設の実施体制やセキュリティに関する情報も細かく計画書に記載します。
②オンライン診療計画書の共有
オンライン診療計画書の作成後は、2年間にわたる保存が義務づけられています。
また、オンライン診療の受診を予定する患者に対して、文書または電子データで共有することが望まれます。原則、医師と患者の合意がなければオンライン診療を実施することはできません。
③本人確認となりすまし防止
オンライン診療のリスクであるなりすましに対して、適切な防止策を講じる必要があります。
医師の本人確認の方法では、顔写真付きの身分証明書(HPKIカード・マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど)で、患者に氏名を明示することが求められます。
患者のなりすましのリスクに対しても留意すべきであり、原則、顔写真付き証明書の画面提示や、二段階認証などのセキュリティ対策をしているオンライン診療システムが推奨されます。
④薬剤処方と適切な管理
オンライン診療では、患者の症状や状態をビデオチャットによる視診と聴診で評価し、必要に応じて薬剤を処方します。
注意しなければならないのが、オンライン診療では触診などができないため、対面診療よりも薬剤処方に慎重な判断と適切な管理が求められることです。
例えば、一部の向精神薬や麻薬性鎮痛剤など、特定の薬剤は対面診療が必要な場合があります。
薬剤処方を行なった場合、患者のフォローアップを行う責任も生じます。
そのため、患者の生活状況やバイタルを可視化でき、メッセージ機能で円滑なコミュニケーションを図れるオンライン診療システムが医療施設に求められます。
⑤対面診療と組み合わせた診察
オンライン診療では、視覚・聴覚で得られる情報が対面診療よりも限定されるため、患者の状態に応じて対面診療への移行も必要になります。
例えば、映像で患部や症状を詳細に確認できない場合や、急変・急病などの患者に対して対面診療を提案します。
オンライン診療は、患者の医学的情報が十分に得られている状況で初めて実施を検討できるものであり、オンラインと対面と組み合わせた診察が望まれます。
オンライン診療を実施する施設の環境や設備の条件
『オンライン診療の適切な実施に関する指針』では、オンライン診療を実施する施設に以下のような条件を提示しています。
- 必ずしも医療施設でオンライン診療を行う必要はない
- 騒音のある状況や、患者の情報を得られにくい状況では実施するべきでない
- 医療施設に所属している医師の氏名と所属、当該医療施設の問い合わせ先を明らかにすること
- 急病急変時に患者が速やかにアクセスでき、対面診療を行える施設体制が整っていること
- 第三者に患者の心身の情報が伝わらないよう、物理的に隔離された空間でオンライン診療を行うこと
- 情報通信機器を利用する際、重大な遅延などが生じない通信環境を整えること
- 不正アクセスやなりすまし防止のセキュリティ対策を講じ、システムの適切なアップデートを行うことなど
上記に加えて、オンライン診療研修の実施および修了証の取得、オンライン診療の届出、オンライン診療システムの導入などが不可欠です。
また、オンライン診療は2023年7月31日をもって、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う特例措置が適用されなくなります。
最新のガイドラインに沿ってオンライン診療を正しく実施したい場合には、導入に伴う課題解決からサポートしているオンライン診療システムを選定しましょう。
まとめ
この記事では、オンライン診療を実施できる条件について以下の内容で解説しました。
- オンライン診療の適切な実施に関する指針で守るべきルール
- オンライン診療の実施に向けて必要な準備
- オンライン診療を実施する施設の環境や設備の条件
オンライン診療の実施にあたって、厚生労働省が策定した『オンライン診療の適切な実施に関する指針』は必ず遵守しなければなりません。
ガイドラインにあたるこの指針では、オンライン診療計画書の作成や共有、施設の提供体制で最低限必要な通信環境やセキュリティなどもまとめられています。
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