オンライン診療における処方箋の取扱いについて紹介
オンライン診療は、パソコンやスマートフォンなどの通信機器を用いた非対面式の診療方法です。
オンライン診療における処方箋の取扱いには細かなルールがあります。
担当者のなかには、「オンライン診療の導入を検討していて、処方箋の取扱いについて知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、オンライン診療における処方箋の取扱い、オンライン服薬指導について詳しく解説します。
※この記事は、2023年5月25日時点の情報を元に記載しています。
目次[非表示]
- 1.オンライン診療における処方箋の取扱い
- 1.1.①医療機関における処方箋の取扱い
- 1.2.②薬局における処方箋の取扱い
- 2.薬の渡し方
- 3.オンライン服薬指導について
- 4.まとめ
オンライン診療における処方箋の取扱い
オンライン診療における処方箋の取扱いについては、厚生労働省より令和4年9月30日に発出された『事務連絡』によって示されています。
医療機関および薬局における処方箋の取扱いについて記載されており、オンライン診療で適切に処方箋を取り扱うためには、内容を把握しておくことが重要です。
ここでは、オンライン診療における処方箋の取扱いについて解説します。
①医療機関における処方箋の取扱い
患者がオンライン服薬指導を希望する場合は、処方箋の備考欄にオンライン対応と記載しなければなりません。
患者の同意を得たうえで、医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ、メール等により処方箋情報を送付することと、記載されています。
処方箋を送信する際、担当医師は診療録に送付先の薬局を記載することになっています。
また、医療機関は対面診療及びオンライン診療、いずれの場合も、患者に処方箋の原本を渡すことはせずに、処方箋情報を送付した薬局に当該処方箋原本を送付することとされています。
なお、薬剤師の判断または患者の希望によって、対面診療およびオンライン診療の実施後にオンライン服薬指導から対面での服薬指導に切り替えた場合またはオンライン診療のために患者に対し処方箋を即時に手交できず、その後対面の服薬指導を行う場合も、この取り扱いが可能であるとされています。
②薬局における処方箋の取扱い
ファクシミリ、メール等を通して医療機関から処方箋情報の送付を受けた薬局は、医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は、当該情報を以下の法律に沿った処方箋として扱い、調剤等を行うことになっています。
薬剤師法第23条から第27条まで
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第49条
薬局は、医療機関から処方箋の原本を入手した際は、以前にファクシミリ、メール等で送付された処方箋情報とともに保管することが求められます。
薬の渡し方
薬の渡し方には、大きく分けて院外処方と院内処方の2パターンあります。それぞれ特徴が異なり、オンライン診療での活用方法にも違いがあるため注意が必要です。
ここでは、オンライン診療における薬の渡し方を紹介します。
①院外処方の場合
院外処方では、近隣の調剤薬局やドラッグストア、スーパーの薬局など、患者が希望する場所で薬を受け取ってもらうことが可能です。
ただし、患者が薬の受け取りを希望する薬局によっては薬の取扱いがないケースもあるため、注意が必要です。
また、薬の受け取り場所に自宅を指定する場合もあります。
この場合、医療機関はファクシミリ、メール等で薬局に処方箋を送付し、薬局から患者に連絡をしたうえで、自宅に発送できます。
②院内処方の場合
通常の対面診療で行われる院内処方では、患者は会計時に薬の受け取りを同時に行います。
しかし、オンライン診療を実施した場合は、患者は直接来院しないため、処方した薬は自宅に直接発送します。
院内処方であれば施設外の薬局と連携をとる必要がないため、医療機関にとっても負担軽減となります。
オンライン診療でも基本的には対面診療と同様であり、患者が薬を受け取りに来ることに代わって薬を発送することが主な違いです。
オンライン服薬指導について
患者は、自宅にいながら薬の受け取りと適切な服薬指導が受けられるため、利便性と満足度の向上が見込めます。
ただし、注射剤などの特別な管理が必要な医薬品の場合は、対面での服薬指導が必要になる可能性があるため、すべての薬でオンライン服薬指導を利用できるとは限りません。
また、2023年3月31日に厚生労働省より発表された『事務連絡』によると、2020年4月10日より施行されていた新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて示されている特例が2023年5月8日をもって終了することが示されました。
まとめ
この記事では、オンライン診療における処方箋について以下の内容で解説しました。
- オンライン診療における処方箋の取扱い
- 薬の渡し方
- オンライン服薬指導を活用
薬の種類によっては直接患者の自宅に発送することも可能であり、利便性を向上させることができます。
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