オンライン診療を内科で導入するメリットを紹介
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、医療機関でオンライン診療が導入され始めています。
オンライン診療は直接対面することがないため、医療従事者の感染リスクの軽減にもつながります。また、患者にとっても感染リスクの軽減や、通院時の移動にかかる負担を軽減することも可能です。
導入することで医療機関だけではなく、患者にとってもメリットとなり得ます。この記事では、オンライン診療を内科で導入するメリットを詳しく解説します。
「オンライン診療の導入を検討している」「内科でのオンライン診療の活用方法が知りたい」と考える方は、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は、2023年4月13日時点の情報を元に記載しています。
目次[非表示]
- 1.オンライン診療を内科で導入するメリット
- 1.1.①遠方の患者にも対応ができる
- 1.2.②再診率の向上
- 1.3.③診療方針を事前に立てられる
- 1.4.④患者の生活環境が把握できる
- 2.オンライン診療を導入する流れ
- 2.1.①オンライン診療用のシステムを購入
- 2.2.②オンライン診療で使用する機器の準備
- 2.3.③オンライン診療研修を受講
- 2.4.④厚生局へ届出を提出
- 2.5.⑤対象となる患者とオンライン診療計画書を作成
- 2.6.⑥患者へシステムの案内と使い方の説明
- 3.まとめ
オンライン診療を内科で導入するメリット
オンライン診療を導入することで医療機関だけではなく、患者にとってもさまざまなメリットが生まれます。
ここでは、オンライン診療を内科で導入するメリットを5つ紹介します。
①遠方の患者にも対応ができる
これまでは、県外や遠方に引越しした・お住まいの患者に対して継続的な診察・治療が困難な場合がありました。
特に地方は、特定の疾患や症状を診断・治療可能な専門医療機関が近くにない場合もあり、患者が遠方に足を運ばざるを得ないケースも珍しくありません。
オンライン診療であれば、医療機関に定期的に通うことが困難な遠方にお住いの患者に適切な医療サービスを提供できるメリットがあります。
内科では通院回数が多い、または待ち時間が長いことも少なくありません。そのため、高齢の方や遠方から来院する方にとっては移動が負担になる場合があります。
オンライン診療を導入すれば、そういった方々の負担を減らすことが可能です。
②再診率の向上
仕事や生活の都合で、通院や治療の継続ができない患者は少なくありません。
内科は、疾患によっては通院回数が多くなることも想定されるため、再診率が低下しやすい傾向にあります。
しかし、オンライン診療であれば患者は自宅や外出先で隙間時間に受診することも可能になるため、再診率の向上を図ることが可能です。
オンライン診療は患者にとっての利便性を向上させ、新型コロナウイルスの感染リスク軽減にもつながるため、安全性の確保にも効果的です。
③診療方針を事前に立てられる
対面で診察する場合は、診療の直前に問診を行うため、十分な時間を確保することが難しく、時には、診療方針を立てづらい場合もあるのではないでしょうか。
特に内科は来院する患者が多い傾向にあるため、ゆっくりと方針を立てる時間がないケースも想定されます。
しかし、オンライン診療であれば問診票を事前に患者から入手できるため、診察日までに方針を立てる時間が確保できます。
また、事前に医療機関からオンライン診療システムを通じて、患者に対して問診回答依頼を行っておき、オンライン診療当日までにあらかじめ患者の問診回答が完了している場合には、スムーズにオンライン診療が実施可能です。
オンライン診療システムによっては、従来、患者が手書きで記入している血圧手帳や、頭痛手帳に記載する項目を、患者がスマートフォンのアプリで入力することが可能です。
また、それらの項目を、医療従事者側のパソコン画面上で表示させることも可能な場合もあります。
従来は診察時にのみ確認していた、血圧の記録や、頭痛の症状の記録などを、診察時以外にも医療従事者側で確認することができるため、治療方針や処方の変更などを事前に検討しやすくなるというメリットもございます。
④患者の生活環境が把握できる
対面診療でも、患者の生活習慣や日常の動向を把握・指導することはできますが、あくまで問診上の情報であるため、不十分な場合がありました。
一方で、オンライン診療を受ける患者は多くの場合自宅で受けるため、生活環境をビデオ通話を通して確認できます。
生活環境の具体的な情報を得ることで、より患者に合ったアドバイスや医療サービスの提供につなげることが可能です。
オンライン診療を導入する流れ
オンライン診療を適切に導入するためには、事前準備が必要です。ここでは、オンライン診療を導入する流れを紹介します。
①オンライン診療用のシステムを購入
現在は、オンライン診療用のシステムがさまざまな企業から販売されています。
機能性に長けたものや初心者でも使いやすいものなどさまざまで、医療機関のニーズや予算に合わせて自由に選択できるようになっています。
②オンライン診療で使用する機器の準備
オンライン診療を適切に導入するためには、購入したシステムが問題なく動作する情報通信機器(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)が必要です。
検討しているシステムがある場合は、事前に推奨環境を確認し、適合するものを導入することが大切です。
環境が整った後は、カメラやマイクが正常に動作しているかを確認します。
③オンライン診療研修を受講
オンライン診療を実施するためには、まずオンライン診療研修を受講する必要があります。研修は主にガイドラインや情報セキュリティに関する知識、情報通信機器の使い方の習得が目的です。
研修プログラムは5科目で構成され、研修用の動画を見た後に演習問題に答える形式になっています。研修を受けるためには、事前に『日本医師会電子認証センター』にて医師資格証IDを取得しなければなりません。
医師資格証ID取得後は、厚生労働省の『オンライン診療研修実施概要』から研修の申請ができます。
④厚生局へ届出を提出
オンライン診療をはじめるには、地方厚生局に届出を提出する必要があります。様式や提出方法は、各厚生局のホームページで確認できます。
⑤対象となる患者とオンライン診療計画書を作成
疾患や症状などをもとに、オンライン診療に適切な患者を決定し、オンライン診療計画書を作成します。
オンライン診療計画書は、診療方法や使用機器、セキュリティ上のリスクなどを記載した書類で、オンライン診療をはじめる前に患者の同意を得る必要があります。
急ぎで治療が必要な患者はオンライン診療で対応できない場合があるため、注意が必要です。
⑥患者へシステムの案内と使い方の説明
導入したオンライン診療用のシステムを、患者のスマートフォンやタブレットにインストールします。
医療機関と患者、双方が適切に連携できていることが確認できれば、オンライン診療を開始できます。
決済方法については、医療機関であらかじめ設定している決済方法に応じて、オンライン診療予約時に、患者が決済方法を選択することになります。
最近では、クレジットカード決済を設定している医療機関もあります。
まとめ
この記事では、オンライン診療を内科で導入するメリットについて以下の内容で解説しました。
- オンライン診療を内科で導入するメリット
- オンライン診療を導入する流れ
内科は日常的に多くの患者が来院する場合があるため、混雑することも少なくありません。
しかし、オンライン診療を導入しておけば、待ち時間の解消はもちろん、遠方からの患者の負担を軽減させることが可能です。
患者は自宅や外出先から好きなタイミングで受診できるため、再診率の向上も期待できます。
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