泌尿器科でオンライン診療を実施するメリットと注意点
泌尿器科のオンライン診療は、泌尿器科の医師と患者がインターネットを通じてコミュニケーションを取り、医療相談や診察、処方などをオンラインで完結する方法です。
オンライン診療の導入は、多忙で来院できない患者や遠方にいる患者の受診を促すことができるため、治療継続が可能になることから、医師、患者双方にとってメリットをもたらします。
この記事では、泌尿器科におけるオンライン診療の概要や実施するメリット、注意点を解説します。
※この記事は、2023年9月18日時点の情報を元に記載しています。
目次[非表示]
- 1.泌尿器科におけるオンライン診療とは
- 2.泌尿器科でオンライン診療を実施するメリット
- 2.1.①通院の継続率向上が期待できる
- 2.2.②事前問診で診療方針が立てやすくなる
- 2.3.③患者の日常の様子が把握できる
- 2.4.④遠方の患者のフォローができる
- 2.5.⑤事務負担の軽減につながる
- 3.泌尿器科のオンライン診療初診における注意点
- 4.まとめ
泌尿器科におけるオンライン診療とは
泌尿器科のオンライン診療では、情報通信機器(スマートフォン・PC)とオンライン診療システムの利用により、診療の予約・診察・会計・処方まで対応できます。例えば、以下のような症状が疑われる患者に対して、泌尿器科のオンライン診療の初診が可能です。
- 血尿
- 蛋白尿
- 尿潜血
- 前立腺炎
- 前立腺肥大症
- PSA高値
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
- 膀胱炎
- 過活動性膀胱
- 頻尿
- 排尿困難
- 神経因性膀胱
- 尿失禁
- 尿漏れなど
⽇本医学会連合が2021年6月1日に公開した『オンライン診療の初診に関する提⾔』では、オンライン診療はかかりつけ医が背景が分かる患者に対して実施することを原則としています。
また、初診からのオンライン診療は、医師がオンライン診療を習熟していることを前提とし、適切な状況で対面診療に切り替えることが求められます。
泌尿器科でオンライン診療を実施するメリット
ここでは、医療施設で得られる5つのメリットを紹介します。
①通院の継続率向上が期待できる
育児や介護、仕事などの諸事情で思うように通院できない患者が一定数いることを考慮すると、オンライン診療の導入は非常に有益です。
オンライン診療であれば、患者の都合の良い時間に診療予約を行い、インターネットを通じて受診できるため、治療が継続しやすくなります。
定期的な診察が可能となるため、泌尿器科の疾病に関するリスクの早期発見や改善に寄与できます。
②事前問診で診療方針が立てやすくなる
オンライン診療システム上で、事前に患者に問診票を記入してもらえるため、診察当日までの間に、患者の状態を知ることが可能です。
そのため、疑わしい疾患などについてあらかじめ想定しておくことが可能になります。
これにより、患者の症状や病歴に関する詳細な情報を十分に収集し、診療方針を立てやすくなります。また、この情報をもとに、必要な検査や評価をオンライン診療で効率的に進められます。
泌尿器科では、排尿異常という一つの症状をとっても、さまざまな疾患の可能性を考える必要があります。患者の状態をより正確に把握し、的確な医療提供を行うために、オンライン診療システムを利用した事前問診は非常に有益ではないでしょうか。
③患者の日常の様子が把握できる
ビデオ通話でコミュニケーションを取るオンライン診療では、患者の普段の生活の様子や、対面診療では得ることのできなかった患者の生活環境などの情報を取得できる可能性があります。
そのため、より精度の高い患者情報に基づく診療方針を策定できるメリットがあります。
④遠方の患者のフォローができる
来院不要のオンライン診療なら、近くに医療機関がない患者でも自宅から診療を受けることが可能です。
患者は、移動にかかる身体的な負担や、交通費などが不要なため、遠方に住む患者にとっても、かかりつけ医による治療を継続しやすくなります。
泌尿器系の疾患は長期的な管理が必要なこともあります。そのため、転勤や里帰りなどで遠方に引っ越した患者もフォローできるのは、オンライン診療の大きなメリットです。
⑤事務負担の軽減につながる
オンライン診療は、専用のオンライン診療システムを導入することで、予約管理から事前問診・診察・会計・処方に至るまでインターネット上で対応できます。
上記の事務作業を一つのシステム上で行うことができるため、業務負担が軽減されます。
また、予約の変更やキャンセルが発生した場合、従来の管理方法よりも簡単かつ正確に調整できるのもオンライン診療のメリットです。
泌尿器科のオンライン診療初診における注意点
泌尿器科でオンライン診療を初診で導入する場合には、いくつか注意しなければならないことがあるため、詳しく紹介します。
①オンライン診療の初診に適さない症状がある
⽇本医学会連合による『オンライン診療の初診に関する提⾔ P.7』では、以下のような症状が泌尿器系のオンライン診療初診に適していないと定義されています。
1.緊急性により初診からのオンライン診療に適さない状態
(1) 疼痛あるいは発熱を伴う尿路症状(排尿困難 頻尿 失禁)
(2) 急性発症の排尿困難(尿閉)
(3) 急性発症の陰嚢部痛 8
2.情報量や対応⼿段の問題で初診からのオンライン診療に適さない状態
(1) ⾁眼的⾎尿
(2) 尿量減少
②薬剤を投与する際は十分な検討が必要
オンライン診療の初診では、特定の薬剤に対して処方を十分に検討する必要があります。
⽇本医学会連合が公開した『オンライン診療の初診に関する提⾔ P.22』では、頻尿・過活動膀胱治療薬のうち抗コリン薬の処方が要検討の薬剤とされています。
初診での処方が不可とされているわけではありませんが、医師は患者個々の状態に応じて柔軟に対応しなければなりません。
まとめ
この記事では、泌尿器科のオンライン診療について以下の内容で解説しました。
- 泌尿器科におけるオンライン診療とは
- 泌尿器科でオンライン診療を実施するメリット
- 泌尿器科のオンライン診療初診における注意点
診療科目の性質上、泌尿器系の悩みを口頭で相談することに抵抗のある患者も少なからずいます。オンライン診療は、そのような患者が受診しやすい環境を構築できる有効な手段です。
時間的・地理的なメリットのあるオンライン診療は、長期的な診療方針を立てる必要がある患者の通院の継続率向上にも寄与します。
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