catch-img

オンライン診療について厚生労働省が定めるガイドラインのポイントを解説

パソコンやスマートフォンなどの情報通信機器を用いて行われるオンライン診療。

診療はもちろん、薬の処方まで可能になっています。

新たな診療形式として広まりつつあるオンライン診療ですが、適切に実施するためにはルールに沿って行わなければなりません。

そのため、「オンライン診療の導入を検討している」「厚生労働省が定めるルールについて知っておきたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、オンライン診療の実施にあたって厚生労働省が定めているルールについて詳しく解説します。

※2023年4月4日時点での情報を基に作成しています。
※『オンライン診療の適切な実施に関する指針』については、ガイドラインという名称で統一しています。


目次[非表示]

  1. 1.オンライン診療の定義
    1. 1.1.①オンライン診療
    2. 1.2.②オンライン受診勧奨
    3. 1.3.③遠隔健康医療相談
  2. 2.オンライン診療ガイドラインの対象
  3. 3.オンライン診療ガイドラインのポイント
    1. 3.1.①医師の所在は診療所に限定されない
    2. 3.2.②初診については原則「かかりつけ医」が行うこと
    3. 3.3.③ビデオ通話での実施が基本
    4. 3.4.④患者との合意のうえで実施
    5. 3.5.⑤医薬品を処方する場合は正確に判断を行う
  4. 4.まとめ


オンライン診療の定義

厚生労働省は、2018年3月に発表された『オンライン診療の適切な実施に関する指針』を2022年1月28日に一部改正を行い、遠隔医療に関する3つの用語を整理しました。

それぞれの用語は、医師の判断を伴う場合と伴わない場合とに分かれているため、内容を把握しておくことが大切です。

はじめに、オンライン診療を定義する3つの用語について解説します。

※2023年3月30日に『オンライン診療の適切な実施に関する指針』が一部改訂されました。

①オンライン診療

オンライン診療とは、医師と患者の間において、情報通信機器を利用してリアルタイムで患者の診察・診断を行う行為のことをいいます。

また、診断結果の伝達や薬の処方といった診療行為もオンライン診療のなかに含まれています。

②オンライン受診勧奨

オンライン受診勧奨とは、医師と患者の間において、情報通信機器を利用してリアルタイムで患者の診察を行ったうえで、医療機関への受診勧奨を行う行為のことをいいます。

患者の訴えや症状をもとに、疑いのある疾患を判断して受診すべき適切な診療科を選び、心身状態に応じて必要最低限の医学的判断を行います。

また、一般用医薬品を使用した自宅療養を含む経過観察や、非受診を勧めることも可能です。

ただし、具体的な病名を挙げて治療方法の伝達や医薬品の具体的な使用方法の指示はオンライン診療にあたるため、受診勧奨の範囲内で行ってはいけません。

③遠隔健康医療相談

遠隔健康医療相談は、医師が行うものと医師以外が行うものに分かれます。

医師が行う遠隔健康医療相談とは、情報通信機器を活用して得た情報をもとに、患者個人の心身状態に応じた必要な医学的助言を行う行為のことをいいます。

患者の状態を踏まえた診察や診断などの具体的な判断は行わず、あくまで助言のみの対応が基本です。

ただし、医師以外の者が相談を受ける場合は、一般的な医学情報の提供や受診勧奨に限定されます。患者の状態を踏まえた病気の可能性の提示や診断など、医学的判断を行うことはできません。


オンライン診療ガイドラインの対象

厚生労働省によって発表された『オンライン診療の適切な実施に関する指針 P8』では、遠隔医療のうち、オンライン診療をガイドラインの対象としています。

また、オンライン受診勧奨も同様に一定の医学的判断を伴うものであり、誤った情報を患者に伝達した場合はリスクが発生することから、ガイドラインの対象となっています。

ただし、遠隔健康医療相談はガイドラインの対象ではないため、注意が必要です。

患者の心身状態に応じた医学的判断が行われないように、マニュアル整備やルール遵守状況などのモニタリングを適切に行うことが望ましいとされています。


オンライン診療ガイドラインのポイント

適切なオンライン診療を実施するためには、厚生労働省によって発表された『オンライン診療の適切な実施に関する指針 P20』のポイントを把握しておくことが大切です。

ここからは、オンライン診療ガイドラインのポイントを5つ紹介します。

①医師の所在は診療所に限定されない

患者のプライバシーが守られる環境が確保できるのであれば、医師の所在は診療所に限定されません。

静かな環境と安定したネットワークが整っている場所であれば適切にオンライン診療が実施できるため、産休や育休中の医師の労働力を活かせます。

②初診については原則「かかりつけ医」が行うこと

オンライン診療は触診ができないため、患者の身体・精神状態に関して得られる情報が限られています。

また、適切な医療を提供するためには、医師と患者の信頼関係が大切であり、オンラインのみの診療では構築が難しいといわれています。

初診は対面ではなくても実施できる場合がありますが、原則的に対面で行い、2回目以降の受診はオンラインで行うことが望ましいです。

ただし、禁煙治療は例外として初診からオンライン診療が認められています。

③ビデオ通話での実施が基本

オンライン診療における情報通信機器は、リアルタイムでの視覚・聴覚の情報を含むものが推奨されています。

そのため、オンライン診療を実施する際は、ビデオ通話での対応が基本です。

オンライン診療は対面診療に比べ、患者に関して得られる情報が限定されることから、最大限情報を得る努力が必要になります。

④患者との合意のうえで実施

ガイドライン上では、患者側からの希望がない限りオンライン診療の実施はできないとされています。

これは、医師の都合で一方的にオンライン診療を実施することを防ぐ措置です。

また、オンライン診療は医師の判断が必要なため、適切に実施するためには医師と患者、双方の合意が欠かせません。

患者との合意を確認するための手段として、診療計画書を作成することになっています。

⑤医薬品を処方する場合は正確に判断を行う

医薬品の多くは副作用のリスクが伴います。そのため、医薬品を処方する際は、効果や副作用のリスクを考慮した判断が必要です。

特に初診でオンライン診療を行った場合は、十分な医学的情報を得ることが困難な場合があるため、安全に処方できない医薬品があります。

過量処方とならないためにも、医薬品を処方する際はかかりつけの薬剤師や薬局の協力のもと、医薬品の一元管理を行うことが望ましいです。


まとめ

この記事では、オンライン診療について以下の内容で解説しました。

  • オンライン診療の定義
  • オンライン診療ガイドラインの対象
  • オンライン診療ガイドラインのポイント

オンライン診療は対面で行われる診察とは異なり、得られる情報が限られています。

患者の不利益とならないように、ルールに沿って慎重に実施することが大切です。

YaDoc』は、かかりつけ医のためのオンライン診療システムです。医師と患者をビデオ通話でつなぐことはもちろん、患者ごとに症状・疾患の管理も可能です。

医師と患者、双方のサポートに対応しているため、万が一トラブルがあっても専任のサポートデスクがお困りごとに対応します。

詳しくは、お気軽にお問い合わせください。

  お問い合わせ・無料相談_フォーム YaDoc(ヤードック)およびオンライン診療の導入に関するご相談はこちら。 株式会社インテグリティ・ヘルスケア


  YaDoc概要_フォーム 株式会社インテグリティ・ヘルスケア



人気記事ランキング

カテゴリ一覧

タグ一覧