日々の状態を治療に活かす。オンライン診察(遠隔 診察)システムでのモニタリングのメリットとは。

わたべクリニック
消化器科・外科・内科・リハビリテーション科 渡部 誠一郎 院長

高血圧や糖尿病などの症状では、生活習慣をコントロールし、普段の症状をモニタリングしながら治療していくことが大切です。 わたべクリニック院長 渡部先生は、オンラインだからできるメリットを活かしたモニタリングを実施されています。 ここでは、YaDocを使ったモニタリングの活用方法等についてお伺いしました。

ーオンライン診察(遠隔 診察)システムにてリアルタイムで症状を把握するメリットとは

当院では、主に高血圧や糖尿病、心不全の患者さんに対して、オンラインモニタリングを活用しており、血圧、飲酒量、体重や歩数等を入力してもらっています。特に多いのは高血圧の患者さんで、数値の変化をみて薬の調整は必要か、本当にこの薬が効いているのか等の判断材料としています。診察の時だけ血圧が高くなる白衣高血圧の方もいるため、自宅で測った数値がリアルタイムで分かるのが、オンラインモニタリングの良い点だと思います。血圧が下がらない場合は、「数値が高いけど最近の状態はどうですか?」、「早めに来院してください」などと連絡してみたりしています。他には、βブロッカーを投与している心不全の患者さんの脈拍をモニタリングして、脈が落ちすぎているなと分かった時は、来院してもらい調整するといった使い方をしています。

ー診察以外のコミュニケーションが安心をつくる

患者さんからすると、こちらが見てくれているという安心感があるようです。
YaDocのメッセージ機能を使って、「最近血圧が高いみたいですが、調子はどうですか?運動していますか?」といったメッセージを時々送ったりしています。

糖尿病の患者さんには、ウォーキングをしてもらっているのですが、途中で継続が止まってしまったり、逆に頑張って歩きすぎてしまう方もいます。そういった時は、「最近どうですか?」といったメッセージを送って継続を促したり、「7000歩ぐらいで続ける事が大事ですよ」等のメッセージを送ります。そうすると、3分の2ぐらいの患者さんが最近の状況等を返信してきてくれます。こういったメッセージのやり取りができるところも良い点ですね。

ー治療の質を高める日々のモニタリング

モニタリングの内容を見ると、その人の生活習慣がわかってきます。
来院までの状況をわかったうえで診察ができるので、「最近お酒が多くなりましたね。ちゃんと休めていますか?」「血圧が高いときありましたけど、何かされましたか?」といった問いかけができ、「最近は忙しかったです」「こういった事があって眠れなかったです」といった会話ができます。 狭心症でカテーテルを入れた後に必要となる、血圧や脈拍、体重の管理もしやすいです。

毎日の入力は大変だと思うので、入力は時々にしたり、薬を変えた後の1週間だけは入力してくださいとして、長く入力してもらうことを重視しています。 患者さん自身も、最近体重や飲酒が増えているなとか、歩く距離が減ったなという事を自覚できるので、自分の状態を理解してもらうことに役立っていると思います。

あとは、診察の時に入力内容を印刷しコメントを書いて渡してあげるといった使い方もしています。 患者さんからすると、自分のデータをきちんと見てもらっていると分かって安心できるようです。

ーオンライン診察(遠隔 診察)システムで普段の状態を把握する

遠方にお住まいの方や感染に不安がある患者さんに対しては、オンライン診療も実施しています。認知症で来院が難しい患者さんに対して、家族にサポートしてもらいながら実施したこともあります。

オンライン診療の良い点は、自宅の環境がわかったり、リラックスして受診したりできることだと思っています。 家庭環境をみるのは大切ですし、自宅だと患者さんの普段の表情をみることができます。 1対1の会話なので、診察室では話してなかったような事がするっと出てきたりします。 オンライン診療の実施数はまだ少ないですが、今後は再診で取り入れていくと良いかもしれないなと思っています。

YaDocに搭載されているモニタリングを活用いただいているわたべ先生に、導入によるメリットや患者さんの反応などについてお伺いしました。今後も先生の取り組みを発信させていただければと思います。

渡部先生、ありがとうございました。

※YaDocの導入、および臨床における利用は、各医療機関の医師の判断によるものです。

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