オンラインだからできる価値を届ける。小児科・児童精神科医が取り組む新しいオンライン診療【オンライン診療×小児科】

はせがわこどもクリニック
長谷川 雅文 院長/小児科・児童精神科

コロナウイルス感染拡大に伴いオンライン診療が一気に広がりましたが、その活用方法は多岐にわたっています。
生活習慣病の再診や発熱患者さんの初診で活用するケースが目立ちますが、中には先生の専門性とオンライン診療を組み合わせて先駆的な取り組みをする医療機関もあります。
ここでは、児童精神科をご専門にオンラインでの複数人受診に取り組むはせがわこどもクリニックの長谷川雅文先生にお話を伺いました。

ーオンライン診療なら複数人間での診療がよりスムーズに(小児ならではの事情)

2021年6月にクリニックを開院する前、どのような医療を提供するのが皆さんのお役に立てるのだろうとずっと考えていました。
また、以前に病院で実施していたお子さんのことについて、ご家族だけでなく学校の先生等の関係者も交えてお話しする取り組みを、診療所の外来の中でどう実現していくのかについても悩んでおりました。
そんな中、オンライン診療であれば、多くの関係者と時間を調整することが対面よりも容易となるのではと考えたのがきっかけです。

身体所見をとることが困難なオンライン診療では一般小児科を受診するような感染症について正確に評価にくいため、診療の質をオフラインと同様に保つことは困難です。
しかし複数人によるカンファレンスのような形式であれば、質を損なう事なく、オンラインならではのメリットも訴求できますし、アフターコロナにおいてもオンラインで行うことのメリットを継続して提供できると考えました。

ー患者にも医師にもメリットが多いYaDocとZoomとの連携

YaDoc QuickがビデオシステムとしてZoomを採用していることが導入の一番の決め手でした。
オンライン診療において、親御さんだけでなく学校の先生等関係者の方にも診察に同席してもらうには、複数人通話の機能は必要不可欠です。Zoomであれば、問題なくそれが実現できるというのは大きかったです。
また、コロナウイルス感染拡大に伴い、Zoomを使ったことがある方は非常に多いです。新しくアプリをインストールしたり、使い方を覚えたりするのは心理的にハードルがあると思いますが、使った事があるシステムであればすんなり使い始める事ができると思います。私自身、Zoomはミーティングなどで使用していたため、新しく何かを覚える必要がなく操作できました。患者さんやご家族をお待たせしたりご迷惑をおかけしたりすることがないように、慣れ親しんだシステムを選択しました。

私のやりたい事を営業の方に相談した際に様々なやり方を提案してくれたのも、実際の運用イメージがわいて非常にありがたかったです。

ーシンプルで分かりやすい操作性

導入に際してのハードルは特にありませんでした。
元々Zoomを使用していましたし、YaDoc Quick自体も非常にシンプルでわかりやすく、設定は本当に簡単に行う事ができました。
当院のオンライン診療は自費診療としており、レセプトによる診療費の計算等も不要のため、院内スタッフに負担をかける事なく、私1人で予約から診察、その後の処理まで完結させています。
多くの人が関わると、運用フローの検討等に時間がかかるので、まずは私一人で小さく始めていますが、それができるのもシンプルなシステムのおかげで、助かっていますね。

ー小児科・児童精神科としてリアルな状況を聞ける場を簡単につくることができる

児童精神科の領域ではお子さんのお話はもちろん、かかわるご家族や学校の先生など多くの人からお話を伺い、一緒に対話していくプロセスが非常に重要です。
複数名で実施したオンライン診療では、人づてではなく、リアルな状況をそれぞれの方から伺う事ができたので、非常に良かったと思います。親御さんからも「やってよかった」という声が聞かれ、私もこの取り組みを始めてよかったなと嬉しく思っています。
今は大人数が集まる事が時勢柄難しく、学校の先生にも同席してもらう場合は、時間の調整も非常に困難です。オンラインだから時間・距離・感染リスクの制約なくそれが実現できる事に非常に大きな可能性を感じますし、これからも取り組んで多くの方に提供できればと考えています。

ーオンライン診療も含め広い視点で健康に寄与する取り組みを増やしたい

診療については、もちろん地域の方のお役にたてるように誠実に取り組んでいきたいと考えていますし、オンライン診療も必要な方にどんどん提供していければと考えています。

また、私はもともとダンスをしていたところからDMT(ダンスムーブメントセラピー)と出会い、開業前の病院では入院患者さんに向けてプログラムを実施しておりました。今後はクリニックの通院患者さんへDMTを始めとした様々なプログラムをショートケアプログラムとして提供していく予定です。
その他に、同建物内にレンタルスタジオも併設して、オンラインレッスンなどの動画を視聴しながら体を動かすことができる設備もそなえており、オンラインに対応した環境を準備しております。スタジオのホームページはクリニックのホームページよりアクセスできます。
身体を動かすことは健康に非常に大事ですが、オフラインのダンスレッスンは大人数で密になりやすい、だからといってオンラインレッスンを自宅で受けられる環境がある方も少ないと思います。そうした時、レンタルスタジオでオンラインレッスンを受けることで、身体を動かす事につながればと考えています。
医師として診療を行う事は当然なのですが、もっと広い視点で皆さんの健康に寄与できないかと常々考えており、今後も取り組みを増やしていきたいと思います。

複数人でのカンファレンスという新しいオンライン診療の活用に取り組みつつ、ライフワークのダンス等についても非常に熱意をお持ちの長谷川先生からお話を伺いました。
先生は、Instagram等でも日々情報を発信されておりますので、ご興味の方はこちら(https://hasegawa-kodomo.com/)からアクセスしてみてください。

今後も先生の取り組みを発信できればと思います。
長谷川先生、ありがとうございました。

※YaDocの導入、および臨床における利用は、各医療機関の医師の判断によるものです。

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